というあなたへ向けての記事になっています。
この記事では
- 物事を始めるときのお金の使い方、考え方
- 孫子の兵法第二章に書かれていることのまとめ
- 利益を生み出すお金の使い道
について紹介していきます。
孫子の兵法第二章の内容
孫子が考える「作戦」というのは日本語における作戦の意味より広く、
「経済面や軍隊をどう運用するか」という意味でも使われています
つまり、孫子の兵法第二章作戦篇では
- お金の損しない使い方
- お金を使って国や兵を豊かにする方法
が書かれています。
お金の上手な使い道については是非知りたいですね!
孫子の兵法第二章作戦篇の内容は大きく7つ
1 戦争は費用が掛かることをよく知る
2 戦争は長引かせてはいけない
3 長期戦に利益はない
4 戦争は国の経済を疲弊させる
5 智将は国の負担を軽くするように動く
6 敵に勝ってますます強くなる戦い方
7 将軍は国家と国民の行方を握る重要人物である
孫子コンプリート
作戦篇の内容を現代の言葉でまとめて表現すると
- 損するところと得するところがどこかを考えよ
- 今ある資金だけで予算を考えよ
- 見積りミスを防ぐべし
- コスト負担をうまく活用せよ
- ほうびを与えてコスト意識を持たせよ
- お金を使う立場にある者は重要な立場にあることを意識せよ
それぞれ具体的にどういう内容か見ていきます。
損するところと得するところがどこかを考えよ
戦争は準備段階からお金がかかる。
戦争が長引けばコストが増え、リスクも増える。
長期戦はコストがかさむだけで利益が手に入っても全体としては大損だ。
と孫子は言っています。
要するに、
「だらだら何も考えずに長くやってもメリットはない」
ということです。
また、孫子は
「やり方は下手だが、戦いを早く終わらせる戦上手」はいるが、
「やり方は上手だが時間をかける戦上手」という話は聞いたことがない。
戦いで失うものをじっくり考えない者は、戦いで得るものもたかが知れている。
ということも言っています。
つまりは、
コスト意識をもって損益分岐点がどこなのか考えなさい
損益分岐点を超えないように物事を行なえば利益を確保できる
ということですよね。
利益が確保できるなら、たとえ成果が少なくてもやる意味が生まれるわけです。
そして、このコストを考えられるような人でなければいけないということも孫子は言っているのです。
現代で言えば
導入コスト(資金調達・機材の購入など)は多額で固定的ですが、
ランニングコスト(消耗品の補充、メンテナンス)
経済対策のコスト(収入が減る、物価が上がる)
というのは比較的少額ですが日数が長引くほど加速度的に増えていくものです。
これらのコストを考えてうまく活用すれば利益を生み出せるのにもかかわらず、
「コスト度外視で作ったけど絶対売れるから売ろう!」「維持費がすごくかかるけど、維持費は売り上げでなんとかまかなえるっしょ!」
などという発言をする人には要注意ということですよね・・・
今ある資金だけで予算を考えよ
上手な戦略家は、軍役(兵)の徴収は一度だけで、
戦いの途中で二度目の徴収をかけたりしない。
必需品はあらかじめ準備し、兵糧(食料)は敵国で調達するので軍需物資が不足することはない。
導入コストのなかでも大事なのが「資金調達」ですよね。
孫子は、「導入コスト段階での資金調達のお金の枠内で財源を考えるべきだ」
ということを言っています。
孫子は理由として、
開戦前は、自分に経済的余裕があり、周囲の援助意欲も高い。
しかし、戦いの継続中は援助者も様子見で追加出資をしてくれる可能性は低いからだ
と言っています。
現代における「事業を立ち上げる」という例で言えば、
最初は資金提供者も「成功するかもしれない」と思って出資してくれますが
いざ事業が始まったら成功するか失敗するかの行方をみます。
資金提供者も失敗する事業に再度出資なんてしたくないですもんね。
一通りの事業が成功するのを見届けたら「まだまだ伸びそうだ」と思って出資してくれるのです。
まとめると、
導入期(蓄えがある、経済が安定している状態)→資金確保しやすい
継続期(蓄えがない、経済活動停滞)→資金確保しづらい
収束期(ひと段落し先が見える状態)→資金を出す意欲が高まる、資金を確保しやすい
優秀な者は始める前からコストを考えたうえで運用していくのだ。
始める前にコストも考えずその場当たりで資金を使っていく者に成功はない。
げげっ!
始めはこれくらいのお金でその都度足りなくなったら調達すればいいやと思ってました・・・
追加予算を認めないと決めてしまった方が、やりくりは厳しくなりますが
破綻のない運営がしていけることに繋がっていきますね。
見積りミスを防ぐべし
開戦前の資金内で予算をたてたのに、資金切れになる多くの場合は見積りミスである。
原因は3つある。
1 ロスを見込まないケース
2 消耗品の補充や機材修理の費用を見込まないケース
3 経済の変化を見込まないケース
である。
これらに失敗すれば、軍は立ち行かなくなり、国内も品不足になる。
ロスを見込まないケース
孫子の時代において考えると「ロスを見込まないケース」とは
補給ラインの経費です。
軍が出兵した際に戦地が遠ければ距離に応じて
- 運送費
- 物資の破損
が増えていきます。
これらが増えれば、元の量を増やさないといけないので
- 購入費
- 運送の労力
が増えていくので、経費がおのずとどんどん増えていきます。
ロスが増えれば新たなコストがかかることになり
全然理想の結果にならないじゃないか~😥ということになるのです。
つまり、
ロスする部分を見込んだ見積もりをしないと理想とする目標にはならない
ということです。
消耗品の補充や機材修理の費用を見込まないケース
孫子は
「消耗品の補充や機材修理の費用は予算の6割を占める」
と言っているほど重要な費用です。
消耗品コストとは一定のサイクルで必ず必要になるものを指します。
ゴミが溜まればゴミを出すのでそのたびにゴミ袋を変えなければいけませんよね?
このゴミ袋が消耗品にあたります。
機材コストとは古くなるほど修理が増えるものを指します。
ゴミ箱も使っていれば古くなってきたら壊れてくると思います。
壊れてしまってはゴミ袋も設置できないのでゴミ箱自体を変えなければなりませんよね?
このゴミ箱が機材コストにあたります。
孫子が言っているのは
1 ロスを見込まないことから起きる見積りミス
の大半が消耗品の補充や機材修理の費用にあたると言っているということですね。
経済の変化を見込まないケース
孫子は経済の変化を見込まないケースの例として
インフレ(物価上昇)
を挙げています。
開戦前は多くの物資が買われるためインフレが起きます。
インフレが起きてしまうと調達費用が増えるだけでなく多くは生活費も上昇してしまいます。
生活費が上昇してしまうと軍資に回せる資金が減ってしまいます。
つまり、支出も収入も減ってしまう結果となってしまいます。
現代では、通常の事業やプロジェクトが物価を動かすことはないでしょうが、
労力や、景気の変動など個人が見込む経済変化はたくさんあります。
経済の変化を見積もらないと思わぬ損失が生まれる
ということを孫子は言っているわけですね。
(孫子って本当に紀元前の人なんでしょうか・・・? ここまで考えてるってすごすぎですよね・・・)
コスト負担をうまく活用せよ
賢い将軍ほど物資は敵から奪い、自軍の消費にあてる。
敵国の物資を奪って使えば、自国の運んで使うのに比べて20倍の価値がある。
孫子は、
「コストは経済力を下げるものであるであり、経費を正しく見積もりさえできれば避けられる」
と言っていますが、実行するのはかなり難しいですよね?
ここで孫子は発想の転換を促しているのです。
- コストは自分だけでなく相手も同じようにかかるもの。
- 敵にとってもマイナスであればそれを利用して敵の経済力を下げる道具として使えばいい。
現代では戦争みたいに相手から奪ったり、相手にコストを使わせるようなことはできないですよ?
だからお主は成功できないんじゃ!
わしの時代に合わせて考えてどうするんじゃ!
もっと物事の根本を考えよ!
と、いいますと?
要するに、
不利なことを不利なままにせず、何か利用できないかを考えよ
ということだ。
コストはマイナス要素でしかありませんが、
あなただけではなく、みんなにとってもマイナス要素です。
であれば、このマイナス要素をどう利用すればマイナス要素が少なくできるのか、プラス要素に転換できるのかを考えること、つまり
諦めずに頭を働かせることが重要
だということですね。
ほうびを与えてコスト意識を持たせよ
敵軍をせん滅したいだけなら、兵の怒気をあおればいいが、
財貨も奪いたいなら兵にほうびを与えよ。
奪った戦車の数を競わせ、最初に十奪った兵にその戦車を与えよ。
とらえた敵兵は懐柔したうえで指揮官に配下として与えよ。
孫子のこの言葉からわかるのは、
出た利益の一部を還元するシステムを作ろう
ということです。
ですが!孫子の狙いはこれだけではありません。
敵から奪った物資を利用することで
コスト対策への意識を兵に植え付ける
という狙いがありました。
この狙いの理由としては、
恩恵がなければコスト対策への関心は続かない
という心理を見越したものでした。
コストが増えることばかりを気にして、節約ばかりさせているとメンバーの士気が落ちます。
士気が落ちれば戦いが長引いて予算通りのコスト管理が難しくなってしまいます。
そこで大事なのがコスト意識を全員が意識することなのです。
孫子はコスト意識を全員に意識するために「五事七計」の徹底をさせます。
「五事七計」の詳しいことはこちらで↓
「五事七計」を徹底させる具体的な方法は何ですか?
コストに意識をさせる方法としては
1 競争意識を高める
2 可視化
3 ほうびを保障し期待を高める
という動機付けをすることがコスト対策に向かうことになるのじゃ
競争意識を高める
競争意識を高めるメリットとして
競い合いが生まれ、仕事への意欲が高まる
というのがります。
具体的な方法の一例としては、
一番乗りにだけ与える
というものがあります。
例えば、チームごとに分けて一つの部品を作る場合に
経費を一番少なく作成したチーム、労働時間を少なくして同じクオリティで作成したチームにボーナスを与える
ということをすればチームごとに結束力が高まり、競争心が生まれ仕事への意欲が高まります
そして、コストを削減したことによって会社へのプラスにも繋がります。
つまり、コスト削減のための競争をさせることで社員と会社の間にWinWinの関係が生まれるのです。
可視化
可視化のメリットは
ほうびが与えられた人は評価を実感し、他の人は次回への意欲があおられる
ことです。
競争心を高め、いい仕事をしたチームに対しボーナスを出したことを
社内で公表したり、広報誌などで公表すれば、
ボーナスをもらったチームは、評価を実感できるし、社内評価も爆上がりするでしょう。
他のチームは「次は負けないぞ」という競争心をさらに高め次の目標への意欲が高まります。
「可視化」をすることで最終的には会社にもプラスになりコスト削減になります。
ほうびを保障し期待を高める
ほうびを保障し期待を高めることのメリットとしては
ほうびを与える側が信用される
ということです。
競争をしてほうびがきちんともらえる、つまり
公正な賞罰が行われている
ということが周知されれば、ほうびをもらう側だけでなく、他の人も
ほうびを与える側のことを信用してくれるようになります。
コスト削減をすることによって会社側が社員の信用を得られることにもなるのです。
お金を使う立場にある者は重要な立場にあることを意識せよ
戦争のあり方を知る将軍は、国民の生死と運命を握り、国家の安泰と危険を左右する最も重要な人物である。
この孫子の言葉には、
組織のトップには相応の責任が伴うことを自覚せよ
部下を指揮したりする上司は責任があり重要である
ということが読み取れます。
個人で戦うならば力も少ししかでないし、成果も少ししか出ないですが、
チームで戦うならば力は個人の数倍にもなり、成果も数倍になります。
人数が増えればその分メリットも増えていくのです。
チームのデメリットがあるとすれば、指揮したり、システム作りをする人が、
責任逃れをしたり、部下のことを考えられないような「おろかもの」であれば
チームはすぐにダメになってしまうということです。
孫子がはじめの第一章で言っているように
上に立つ者は
智(知恵、はかりごと)
信(まこと、信用)
仁(部下への愛情、適切な思いやり)
勇(いさましい、勇敢)
厳(おごそか、威厳)
が重要だということが繰り返し確認することができます。
まとめ
物事を始めるときのお金の使い道
1 コストを考え、利益が出る方法を考えよう
2 きちんとした見積もりを立てて、損失をできるだけ避ける方法を考える
3 マイナス面をプラスの方向にできないかを考えよう
4 お金を使う側の人は努力が必要(智・信・仁・勇・厳を身につけなければならない)
部下側はついていく上司を見極めよう(智・信・仁・勇・厳があるか確認する)
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